賃貸住宅管理業法(賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律)は、試験で最も得点しやすい分野です。 なかでも登録と業務管理者は数字と主語がはっきりしていて、毎年のように問われます。 ここでは法と施行規則の条文をもとに整理します。
そもそも「賃貸住宅管理業」とは
賃貸人から委託を受けて、次の業務(管理業務)を行う事業をいいます(法2条2項)。
| 管理業務 | ポイント |
|---|---|
| ① 維持保全 | 点検・清掃などの維持と、必要な修繕の両方を行うこと。維持保全の契約の媒介・取次ぎ・代理も含む |
| ② 金銭の管理 | 家賃・敷金・共益費などの管理。①と併せて行う場合に限る |
家賃の集金だけを請け負う、定期清掃だけを請け負う、といった形は管理業務に当たりません。 「維持保全」が入っているかどうかが判断の軸です。
登録制度の数字
| 項目 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 登録先 | 国土交通大臣(宅建業のような知事登録はない) | 法3条1項 |
| 登録が必要な規模 | 管理戸数200戸以上(200戸未満は任意) | 法3条1項、規則3条 |
| 有効期間 | 5年ごとに更新 | 法3条2項 |
| 更新の申請期間 | 有効期間満了の90日前から30日前まで | 規則4条 |
| 更新中の扱い | 満了日までに処分がなければ、処分まで従前の登録が有効。更新後の期間は満了日の翌日から起算 | 法3条3項・4項 |
| 変更の届出 | 商号・役員・営業所などに変更があった日から30日以内 | 法7条1項 |
| 廃業等の届出 | 死亡・合併消滅・廃止などの日(死亡は知った日)から30日以内 | 法9条1項 |
| 登録拒否 | 登録取消しから5年、拘禁刑以上の刑などから5年を経過しない者など | 法6条1項 |
管理戸数は「一時的にでも」200戸以上になればその時点で登録が必要です。 200戸未満の業者が任意に登録した場合も、登録業者として法の規制をすべて受けます(解釈・運用の考え方)。
覚え方のコツ
- 「200戸・5年・大臣」の3点セット
- 届出はどれも「30日以内」。更新申請だけは「90日前〜30日前」という幅がある
業務管理者の選任ルール
| ルール | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 選任単位 | 営業所または事務所ごとに1人以上 | 法12条1項 |
| 兼務 | 他の営業所・事務所の業務管理者を兼ねられない | 法12条3項 |
| 欠けたとき | 新たに選任するまで、その営業所で管理受託契約を締結してはならない | 法12条2項 |
| 選任しなかった場合 | 30万円以下の罰金 | 法44条2号 |
宅地建物取引士が業務管理者を兼ねることは、それ自体は法違反ではありません。 ただし、従業員の管理業務を指導・監督できる状態であることが求められます(解釈・運用の考え方)。
業務管理者になれる人
欠格事由(法6条1項1号〜7号)に当たらず、次のいずれかを満たす人です(規則14条)。
| ルート | 要件 |
|---|---|
| 賃貸不動産経営管理士 | 管理業務の実務経験2年以上(または同等の能力と認められた者)+登録証明事業による証明 |
| 宅地建物取引士 | 実務経験2年以上(同上)+国土交通大臣が指定する講習(指定講習)の修了 |
実務経験2年は、実務講習の修了などで代えることもできます(国交省FAQ)。
業務管理者が管理・監督する事務
施行規則13条が定める事務は次のとおりです。
- 重要事項説明(法13条)と契約締結時書面(法14条)の交付
- 維持保全の実施、家賃・敷金など金銭の管理
- 帳簿の備付け(法18条)、委託者への定期報告(法20条)
- 秘密の保持(法21条)
- 入居者からの苦情の処理
よく出るひっかけが「重要事項説明は業務管理者が自ら行わなければならない」という記述です。 解釈・運用の考え方は、説明を業務管理者が行う必要は必ずしもないが、業務管理者の管理・監督の下で行う必要がある、としています。 「業務管理者=管理・監督する人」と覚えると、ひっかけに引っかかりにくくなります。